内航海運大手の井本商運(神戸市)が新造した国内最大の内航コンテナ船「なとり」が18日、横浜港に初入港した。風圧抵抗を低減して低燃費を実現する半球状の船首が特徴。大型化によって国際コンテナ戦略港湾への集荷をさらに強化する。
なとりは旭洋造船(下関市)が建造。全長約136メートルで、総トン数7390トン。コンテナ積載数は548個(20フィートコンテナ換算)で、従来の内航コンテナ船の約3倍の積載能力を持つ。
最大の特徴は、コンテナ船では世界初となる「球状船首ブリッジ」。正面からの風圧抵抗を約3割軽減できる。加えて高効率プロペラや低燃費塗料なども採用した結果、従来型の船型と比べて約10%の省エネ効果を実現したという。
18日には、なとり船内で市主催の初入港セレモニーが行われた。あいさつに立った井本隆之社長は「大型化を生かして地方港から戦略港湾への集荷に貢献するとともに、陸運から海運へのモーダルシフトで環境問題にも貢献したい」と意気込んだ。
なとりは23日、京浜-阪神-門司・博多航路に就航する予定。