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松重豊(58)演じる輸入雑貨商の井之頭五郎が、仕事のついでに訪れた飲食店で一人、料理に舌鼓を打つテレビ東京系「孤独のグルメ」が今夏、シーズン9に突入した。2012年の放送開始以来、足かけ10年に及ぶ人気シリーズ。「今の時代に即している」と語る松重が、料理を口に運ぶ時のあの幸せそうなほほえみの秘密から、店主らへの熱い思いまで語ってくれた。(読売新聞オンライン 旗本浩二)
ふだんは小食、五郎になると変身する胃袋
「おぉ、いい……この感じ、初めてだぁ!」「見た目と違って紳士……いや、紳士というより淑女」――。絶妙なモノローグとともに料理に向き合い、次から次へと追加オーダーする姿は、見ていてほれぼれする。だが時として「こんなに食べられるの?」と心配にもなる。
「ふだんは小食なんです。女性陣と食べても僕が一番少ないぐらい。でもあの番組は井之頭五郎になっていかなきゃいけない。酒は飲まないけど食欲だけはある男。そうなると、食べられちゃうし、食べたくなってしまうんですね。お店の方に『これも食べて』と言われると、胃袋の方は柔軟に働いてくれます」
とはいえ、シリーズを重ねるうちに「僕の健康状態を推し量ってくれて、だんだん台本に書かれている量がセーブされてきた」。あとは現場で店主らと話しながら追加メニューが決まっていく。シーズン9は元々、昨年7月放送の予定だったが、コロナ禍で延期となり、ほぼ2年ぶり。「自分の中で意地になっているところもあると思うんですが、(以前は)これぐらい食べていたかなって記憶もあいまいになっていて、ちょっと食べ過ぎかもって反省もあるんですけどね……」